『光合成細菌<シアノバクテリア>の誕生』 |
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○ 生命誕生前夜の地球 地球が誕生したのは46億年前。水が他の天体から齎されて海が形成された。有機物も齎されこの海に豊富に溶け込んだ。こうして生命誕生の舞台が整った。 →原始地球環境 |
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● 生命誕生 − 古細菌の出現(40億年前) 現在の学説では地球が誕生してから6億年ほど経った頃(40億年前)、海で生命が誕生したといわれている。生物の材料はアミノ酸・核酸塩基・糖などの有機物。アミノ酸が化学的にくっついたり離れたりしている中から、次第に蛋白質と核酸を薄い膜の中に収め、自己の形を持ち増殖することが出来るようになった生命が誕生したと考えられている。 古細菌の一種である。古細菌は、単細胞生物で明確な細胞核を持たない。古細菌は、深海だけでなく,温泉とか,地下深くとか、無酸素である上に、とんでもなく超高温・超高圧・高塩濃度・高い酸性な、極限的環境で生息するものが多いのも特徴。 →化学進化による有機物の高度化 →生命の誕生 |
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〇 光の検知・利用、シアノバクテリアの出現(32億年前) 数億年ほど生命はさしたる進化をせずに自然に化学合成された有機物を利用して細々と命をつないできた。しかし、光を使用してエネルギーとなる有機物を作り出すシアノバクテリア (藍色細菌: cyanobacteria)が32億年前に出現した。細菌ドメイン (真正細菌) に属する原核生物。光合成細菌である。 太陽光の全く届かない熱水噴出孔(チムニー)では赤外線を検地するだけだった筈。赤外線では光合成は不十分。しかし光を検地する仕組みが光合成細菌への進化に繋がったといわれている。 | ||||||||
![]() 32億年前に化学進化を経て藍藻誕生 |
![]() 酸素を出すバクテリアが現われ大気中酸素が増加 |
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この新しい生物は自分で有機物とエネルギーを作ることができるため、海底火山の周辺からその生息範囲を一気に拡大することができた。特筆すべきは、シアノバクテリアが光合成で有機物を合成するとき水素を必要とするため、水を分解して水素を得ていたこと。その際に廃棄物として酸素を放出。これで大気中の酸素濃度が上昇していった<細菌の中には、他にも光合成を行うグループが存在するが、酸素発生を伴う光合成を行うのは藍藻のみ。他の光合成細菌は酸素非発生型の光合成を行う>。 陸上植物のものも含めて全ての葉緑体は細胞内共生において取り込まれた藍藻に由来すると考えられており、藍藻は植物の起源を考える上で重要な存在。 | ![]() 光合成による有機物生成 |
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![]() 豪州西部シャークベイ ![]() 成長するストロマトライトの岩 |
● 子孫 シアノバクテリアの直接の子孫にあたるストロマトライトは現在でもオーストラリアの西海岸のハメリンプールと呼ばれる浅い海で生息している。写真のようにほとんど岩のように見えるが、内部は層状になっており、毎日少しずつ周囲の砂を粘液で固定しながら成長している。そのため、成長したストロマトライトはマッシュルームのように上にいくほど大きくなる。この海は乾燥地帯に位置し、かつ外海との海水の出入りが少ないので、塩分濃度が非常に濃くなる。このような環境では他の生物との競合が少なく、古い生物が生息できるようだ。天敵がおらず、世界的に大発生した。オーストラリア・西海岸のハメリンプールは世界遺産になっている。 現在では、陸上植物のものも含めて全ての葉緑体は細胞内共生において取り込まれた藍藻に由来すると考えられている。 | ||||||||
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● 藍藻(シアノバクテリア) 藍藻またはシアノバクテリアは、酸素発生を伴う光合成 (酸素発生型光合成) を行う細菌の一群。藍藻は系統的には細菌ドメイン (真正細菌) に属する原核生物であるが、歴史的には「植物」に分類されていた。藍藻は現在でも藻類の一員として扱われることが多いが、原核生物である点で他の藻類や陸上植物 (どちらも真核生物) とは系統的に大きく異なる。しかし、陸上植物のものも含めて全ての葉緑体は細胞内共生において取り込まれた藍藻に由来すると考えられており、藍藻は植物の起源を考える上で重要な存在。 単細胞、群体、または糸状体であり、原核生物としては極めて複雑な体をもつものもいる。光合成色素としてクロロフィルの緑色と合わせて青緑色 (藍色) をしていることが多く、学名や英名の「cyano-」はギリシア語で「青色」を意味する語に由来する。藍藻は海から淡水、陸上に広く生育し、生産者や窒素固定者として生態系において重要な役割を担っている。 藍藻は、地球上に初めて現れた酸素発生型光合成生物であったと考えられている (およそ25?30億年前)。藍藻の光合成によって地球上に初めて酸素と有機物が安定的に供給されるようになり、現在へとつながる生態系の基礎が築かれた。酸素発生型光合成というシステムは、細胞内共生を経て葉緑体の形で真核生物に受け継がれ、多様な真核藻類 (および陸上植物) のもとともなった。細菌の中には、他にも光合成を行うグループが存在するが (光合成細菌と総称される)、酸素発生を伴う光合成を行うのは藍藻のみであり、他の光合成細菌は酸素非発生型の光合成を行う。 | ![]() 糸状藍藻の1種 ![]() 22〜23億年前のストロマライト (米国ミシガン州) |
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〇 地球磁気圏の形成(27億年前) その後、地球が一つの磁石であるかのように、地球を磁気のバリアが包むようになった。それまで太陽風として地球まで到達していた生命に有害な荷電粒子はこの磁気圏のバリアに遮られるようになった。致命的な紫外線はまだまだ地表まで到達しているが、海中では紫外線の届かない海面近くの環境でも生命が存在できるようになった。これは生物にとって幸運。これで光合成を行うシアノバクテリアはより安全に・より活発に増殖できるようになった。 →地球環境の変化(地磁気) |